うつ病患者の大きな特徴として「赤の他人にいい顔をする」という共通点があります。いい顔をするとは、気をつかいすぎるということです。
うつ病の人は、もう二度と合わないような他人に気を使いすぎてしまいます。たとえば以下のようなときです。
日常のちょっとしたシーンですね。
人間として当たり前といえばそうですが、うつ病の人は心のなかで必要以上に気をつかい、魂を削っているのです。
一期一会という言葉もあるように、たしかに本来であれば、赤の他人にそこまで気をつかえるのは素晴らしいことです。人として立派だと言われるし、相手も気持ちよく過ごせるでしょう。
ただしうつ病患者の場合、そうして気を張った分、どこかにしわ寄せがきてしまいます。
気をつかっただけ、
緊張しているからです。
おそらく他人に気を使ったあとはとても疲れるはずです。まさに気疲れしているのです。
自分の魂を疲れさせてまで、赤の他人に気をつかう意味はあるでしょうか?
丁寧な対応にこしたことはありませんが、そうして気をつかいまくっているわりには、うつ病患者は、他人と仲良く人間関係を作ることが苦手なのです。いざ他人と深く付き合うとなると、とたんに面倒になったり、逃げたくなるのです。
うつ病患者は、思いやりや信念があるわけではないのです。仲良くしたいから親切にするわけでもないのです。ただ緊張していて、よく思われたいプライドが高いからそうしてしまうだけなのです。
本当の思いやりとは日常の会話のなかにあります。たった一瞬だけの丁寧さにあるのではありません。
他人に気をつかいまくる人にかぎって、身内などの自分の近辺にいる人間にはわがまま放題です。言いたいことを言うし、横柄な態度だったり、厳しいことを言ったりします。
これらはすべて、甘えている証拠です。身内の人間には甘えられるから本当の自分が出るのです。外の世界で気をつかうことで溜まったストレスを、身内に対して吐き出しているのです。
逆ですよ。
身内に対してこそ、優しく丁寧に接するべきです。
赤の他人は、あなたに何をしてくれますか?
何もしてくれませんよ。ただあなたがいい顔をして、よく思われたいだけでしょう?たった一瞬だけなのに、いい顔をしたいだけでしょう?
でも、実際にあなたを支え、声をかけてくれるのは誰ですか?
身内の人間です。
あなたに声をかけ、あなたの様子を伺い、日頃からコミュニケーションを取ってくれる人は、あなたの周りにいる人間です。そうした人間にこそ、優しく丁寧に接するべきだと思いませんか?
身近な人間にこそ感謝と思いやりを示すべきです。
うつ病患者は、赤の他人に気をつかいすぎます。そして赤の他人に気をつかいすぎる人間は、どうでもいい小さな小さなプライドを維持したがるのです。
うつ病の人は完璧主義ですから、自分の印象をすこしでも悪く思われたくないのですね。
ですが、あなたが本当に大切な人は誰なのかを考えてみてください。
赤の他人に気をつかう癖をやめると、コミュニケーションがだいぶ楽になりますよ。
疲れなくなりますから、日常生活が楽になります。毎日がリラックスできますよ。身内にも優しくできますよ。そして他人に対する心の余裕もできますよ。
これを心がけるだけであなたの心は大きく改善するのです。